最終回は、がんを患った私の母についてお話ししたいと思います。実は、私が開発したマシュマロ・タッチやメディカル・タッチは、全て母を基準に作られたものなんです。
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私の母は、本当にいろんな病気や手術を経験した人でした。生まれつき不整脈があり、子供の頃には赤痢で命を落としかけました。小学生の頃には背中の筋肉が壊死し、手術で切り取ることになりました。
さらに、アレルギー体質のため副鼻腔炎の手術を大学病院で受けました。また、事故の影響で頚椎の移植手術も経験しました。そして、最後は大腸がんでした。
私が開発したタッチング技術は、全て母との関わりの中から生まれています。
元気だった頃の母だけでなく、不整脈で入院しカテーテル手術を受けた母、副鼻腔炎の手術後に薬の副反応で吐き続けて、苦しんでいた母、頚椎の移植手術後に2ヶ月間、首に装具を固定して肩が凝ると言っていた母、そして最後に大腸がんの手術後、抗がん剤治療とリンパ浮腫に苦しんでいた母。
どんな状態の母にも対応できるタッチング技術を作りたいと強く思い続けています。
技術を開発する際、私にはいつも自分に問うことがあります。それは、「母にできるのか」ということです。この問いが私の行動指針です。どんな患者さんにも寄り添える技術を作りたいという私の原点だと思っています。
マシュマロ・タッチとメディカル・タッチは、母のように様々な病気や手術を経験している患者さんのために作りました。
母を介護した経験があるからこそ、患者さんの痛みや苦しみに寄り添いたいと思っています。また、私と同じ経験を持つ患者さんのご家族のお役に立ちがいと思い、この本を書きました。
「イラストでわかる!がんのつらさや痛みをやわらげる家族ができる12の方法」は、母のがんの介護をしていた頃に私が欲しかった本です。
母の苦しみを少しでもやわらげたい、何か手助けしたいという思いを形にしたものです。この本が患者さんやご家族のお役に立てればと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございます。これからも応援よろしくお願いいたします。
⭐️7月からブログは第2、第4金曜日にアップを予定しています。
『がんのつらさや痛みをやわらげる家族ができる12の方法』ができるまで 07