オンラインで看護師に触れるケアの研修を開催しました!
コロナ禍でも熱心に勉強を続ける看護師たち
新型コロナウィルスの感染が拡大する中で、看護師さんは心も体も大変な思いをされながら対応されておられます。そんな状況の中で「新しい技術を習得したい!」という熱い思いで、メディカル・タッチ®︎の研修に看護師さんが参加されました!!
研修を実施させていただいたのは、北海道の帯広市にある帯広厚生病院にお勤めの看護師さんです。通常業務に加えて、コロナ の対応で病院も大変な状態にもかかわらず、忙しい勤務の合間を縫って、たくさんの看護師さんに参加していただけました。
初めてのオンライン研修
看護師研修は、今までは研修先の病院で行っていましたが、今回は初のオンライン研修で開催しました。受講される看護師さんたちも、ソーシャル・ディスタンスを守りながら受講されています。初めてのオンライン研修、しかも「触れるケア」という患者さんに触れる方法の研修でしたので、開催できるかと不安もありました。でも、事前に帯広厚生病院と入念な打ち合わせを行い、無事に研修を終えることができました。
触れるケアに時間は必要ない
看護師研修では、「患者さんにマッサージやタッチングをしてみたいけど、時間がない。」という声をよくお聴きます。そんなことはないんです。触れるケアに必要なのは、時間ではありません。触れ方によってケアの時間を短縮することができるのです。短い時間でも、触れ方をちょっと変えるだけで、患者さんに安楽をもたらすことができます。研修では、その触れ方の根拠と実際に触れる方法を組み合わせた内容をお話しさせていただきました。この研修、看護師さんの満足度がすごく高いんです。その分、準備にはその何倍もの時間を使います。初のオンライン研修なので、技術を伝えるテクニックを工夫したり、何度も原稿を変更するなど、開催直前まで大変でした。でも、研修後に参加された看護師さんの笑顔を見たら、準備の大変さなんて、どこかに吹っ飛んでしまいました。
気持ちを込めた触れ方を知っていますか?
看護師は日々の看護を通して患者に触れています。でも、そこに根拠があることを知らない看護師さんが意外と多いです。「気持ちを込めて行う」と言いますが、気持ちを込めるって実際にどうすればいいのか、わかりにくいですよね。またエビデンスが問われる医療の現場で、気持ちを込めるだけでは根拠としてはちょっと物足らないと思います。最近は、「患者が安楽であるためには、触れ方がとても重要」だという看護研究も増えてきています。ただ、なんとなく患者に触れるのはもったいない。根拠を持って触れることでケアの質を高めることができます。さらにメディカル・タッチ®︎が提唱する「心地よさの5原則PARTS」は、人が心地よいと感じる触れ方を定量化した原則です。客観的な数値で判断できる5原則によって、触れ方の質を高めることができます。研修では、「心地よいタッチの5原則」の他に、触れることの根拠や触れ方によって心地よさに差が出るのを実際に体験していただきました。
看護師だからこそ、根拠を持って行おう!
患者さんに触れる看護師だからこそ、根拠を持って触れるケアを行って欲しいという思いで、この研修は続けています。参加した看護師の方々から「看護実践に生かせる触れるケアについて学びを深めることができた」「演習で互いにタッチングを経験したことで、自分自身が癒された」という感想もいただいています。コロナで緊張の高い現場の疲れを、研修でほんの少しですが取っていただけたようです。帯広厚生病院の看護師さんたちに、実際にお目にかかれないのは残念でしたが、ご参加をいただき本当に感謝しています。
コロナで孤独を感じやすい今だからこそ、患者に寄り添う看護師の皆さんがぜひ、タッチで安心、安楽を提供していただけたらと思います。9月も同様の研修が予定されていますが、オンラインという新しい発信方法で、これからも触れることの大切さを伝えていきたいと思っております。
文:見谷貴代