緩和ケア病棟のご遺族の会で講演をさせていただきました
皆さん、こんにちは。
アイグレーの見谷貴代です。
9月の半ばに、国保中央病院の「飛鳥の会」で講演をさせていただきました。
飛鳥の会は、がんでご家族を亡くされたご遺族の会です。
「アロマセラピストとして関わった緩和ケア」と題してお話をさせていただきました。
私は14年間、国保中央病院の緩和ケア病棟でボランティア活動を続けています。
講演が始まる前に、私はある方から
「14年前に家族がお世話になって、毎回、主人は受けるのを楽しみにしていたんですよ。
一言お礼がいいたくて、今日は来ました。」
と深々と頭を下げてお礼をされました。
また、ある方は
「神戸から来てたやろ、あの時、看病するのにいっぱいいっぱいやったんやけどマッサージしてもらって
なんていうか、気持ちがすーっと軽くなったんです。今でもここにラベンダーの香りを身につけてるよ。」
とご自分の服の襟元を指さして、ラベンダーの香りをお守り代わりにしていることをお話されました。
このことに私はとっても驚きました。
まさか14年ぶりにご家族の方にお会いして、こんな風にお礼を言われるとは思ってもみなかったからです。
嬉しさでいっぱいになると同時にホッとして体の力が抜ける感じがしました。
私が緩和ケア病棟で、アロマ・マッサージのボランティアを始めた16年前は
今のようにアロマセラピーやタッチングは盛んではなく、活動の見本となるものもなくて
毎回、活動自体が試行錯誤でした。
思うようにいかないことも多くて、私がしていることに一体どんな意味があるのか?と
不安でいっぱいになることも多々ありました。
それでも多くの患者さまから感謝され、「次も受けるわ、また来てね」と言って
いただいて気が付いたら16年がたっていました。
参加していただいたご家族からは
「とても良かった」
「触れることの重要性を実感し、アロマ抜きでも可能性があると思った。」
「これからは独り身が増えてきます。そんな中アロマやタッチはより一層、大切になってくると
思います。今回は有難うございました。」
「自分が患者になったらぜひ受けたい。」
「触れることは幸せの原点、本当にそう思いました。これからも孫たち、友人とも
触れ合いを大切にしたいと思います。」
14年ぶりに思いが報われたような気がしました。
今までこの仕事を続けてきて本当によかったと思います。
講演の後に、ご家族の皆さんと一緒にお茶をいただきながらお話の時間がありました。
なんと、亡くなられた奥様のレシピを再現して手作りのおいしいスイートポテトをおやつでいただきました。
優しい甘さに心がじんわり温まりました。きっと優しい奥様だったのでしょうね。
会では、ご家族の方にもマシュマロ・タッチ®を体験していただきました。
「帰ってから主人に今日会えたことを報告します!」とご家族の方は笑顔で帰って行かれました。
ご遺族にとっても飛鳥の会がどれだけ心の支えになっているのかを垣間見ることができました。
今回、講演の機会をいただいた飛鳥の会の世話役をされている小出さんのお母さまに
私が14年前にマッサージをさせていただきました。
そのことをお母さまは、娘さんである小出さんによくお話をされていたそうです。
活動をしていると、どうしてもその場で終わりのような感じがしますが、私がしたことは
こうやって、患者さまがなくなられてからも永遠とご家族の中に残っていくのだと思うと、
自分のやっていることの重みを感じます。
これからも一期一会ではありますが、出会いを大切にして緩和ケアでの活動を続けていきたいと思います。