ノーベル賞でも注目!カプサイシンの皮膚センサー
ノーベル生理学賞に「温度・触覚受容体の発見」
今日、今年のノーベル医学・生理学賞が発表されました。
メディカル・タッチ®︎にも関係あるテーマの研究者が受賞したんです!
受賞者は、アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校のデビッド・ジュリアス氏で熱や痛みを感じる仕組みを解明しました。
もう1人は、米スクリップス研究所のアーデム・パタプティアン氏で、皮膚に様々な刺激を感じるセンサーあがることを明らかにしました。
今後、鎮痛剤などの治療の開発にも貢献する素晴らしい研究です。
受賞者は米スクリプス研究所の研究者!
パタプティアン氏が所属するスクリプス研究所(Scripps Research Institute)は、アメリカのサンディエゴ州ラホヤにあります。
化学科創設からわずか10数年でノーベル賞受章者を何人も出している生物化学研究所です。
生物が生まれながらに持っている「自然免疫」の仕組みを解明して2011年のノーベル生理学・医学賞を受賞したブルース・ボイトラー博士もスクリプス研究所に在籍していました。
私も見谷もアメリカ出張の時に、スクリプス研究所を見学させていただいたことがあります!
約10年前に訪れたスクリプス研究所です。メディカル・タッチ®監修ドクターのJason先生と見谷先生。
志の高い、情熱的な研究者がたくさん、自分のテーマを追求されていました。
ラッキーにも直接研究員から話を聞くことができたのですが、彼はインドからやってきて線維筋痛症の遺伝子レベルでの研究をされていました。
ノーベル賞を受章した研究は、著書「看護にいかす触れるケア」の原稿を書くときに目を通しました。
タッチングには欠かせない研究だと思っています。
ノーベル賞のテーマは、皮膚や内臓にあるセンサー
ジュリアス氏は、唐辛子の成分のカプサイシンが、辛さや、熱さ、痛みを感じるセンサーを反応させる研究で受章されました。
辛さと痛みという本来はまったく違う感覚が、同じカプサイシンによって引き起こされているのが分かったのです。
極辛カレーを食べて、口から火を吹くってのは、間違っていなかったんですね。
こうした複数の感覚を引き出す化学物質は他にもあります。
彼は、他にも冷たさに反応すセンサーも発見しました。
薄荷やミントに多く含まれているいるメントールは、冷たさを感じるセンサーを反応させます。
夏場の入浴剤で、熱いはずのお風呂が冷たく感じるのは、このメントールが含まれているからです。
メントールが皮膚の冷たさを感じるセンサーを反応させるからなんです。
一方、パタプティアン氏は、圧力を感じるセンサーについての研究で受賞されました。
皮膚や内臓には、圧力を感じるセンサーがあります。
メディカル・タッチ®では、この触覚センサーの反応がとても重要です。
強く押すなど皮膚にかかる圧力の値が大きくなると、不快なタッチングになるのです。
皮膚のセンサーの反応によって、冷たい、熱い、痛い、重いなどの感覚が生まれます。
メディカル・タッチ®は、これらの皮膚のセンサーを反応させ、心地よさを生み出すように開発しました。
タッチングは、ただ触れれば良いというものではありません。
皮膚のどのセンサーを、どのように反応させたいのかを考えることで、心地よいタッチが生まれるのです。
私たちは、心地よい刺激を脳に伝えるセンサーを効果的に反応させる目的で
「心地よいタッチの5原則PARTS」の法則を考えました。
PARTSに則って触れると、誰でも心地よいタッチングができるようになります。
こうしたメディカル・タッチ®︎の技術が生まれたのも、素晴らしい研究者の方々の弛まない努力の積み重ねがあったお陰ですね。
今年のノーベル賞で、触覚の医学への貢献が評価されて、とても嬉しく思っています。