こんにちは、マシュマロ・タッチ®の前川です。
認知症の方と接していると、
「触れると嫌がられるのでは?」
「驚かせてしまうのでは…」
そんなふうに悩んだことはありませんか?
実際、触れる部位やタイミングによっては、不安や拒否反応が生まれることがあります。でも、ちょっとした工夫で、受け入れられやすいタッチに変えることができるんです。
目次
認知症のある方は、予測できない出来事に不安を感じやすく、
「いきなり後ろから触られる」
「言葉なく腕をつかまれる」
といったことが、驚きや不安、時には拒否反応につながることがあります。
一方で、ほんの少し配慮を加えることで、安心感につながることもあります。
マシュマロ・タッチで大切にしているのは、「いきなり触れないこと」。
そして、こんなポイントを意識するだけでも、安心してもらいやすくなります。
1.目に入る位置から近づく
背後からいきなり触れるのではなく、手や腕など、相手の視界に入る場所からタッチするのがおすすめです。
2.言葉を添えてから触れる
「手をさわりますね」など、予告をしてから触れることで、不安を軽減できます。
3.やさしく包むような圧で
押したり揉んだりするのではなく、なでるように包み込むタッチングが、不安をやわらげる手助けになることがあります。
実際、マシュマロ・タッチで表情がやわらいだり、笑顔になったり、会話が自然に始まることが何度も経験しています。
最近の研究でも、「やさしいタッチ」が認知症の方に良い影響をもたらす可能性があることが報告されています。
認知症の高齢者に対して、やさしく触れるケアを行ったところ、落ち着かない様子や、怒りっぽくなる行動が減り、穏やかな表情やしぐさが見られるようになったという結果が出ています※1。
タッチングケアは、専門職の方だけでなく、認知症のご家族を支える方にも、日々の暮らしに取り入れやすいやさしいケアとしておすすめです。
マシュマロ・タッチ®では、まず「ハンドタッチ」(手や腕へのタッチング)から始めます。
その理由は
・手や腕は視界に入りやすく、いきなり触れられることによる驚きが少ない
・背中よりも触覚センサーが多く、やさしい刺激が心地よく伝わりやすい
・相手の様子(表情など)を確認しながらタッチングできるため、安心感につながりやすい
「やさしく手を包む」だけでも、相手の緊張がゆるみ、ほっとした表情が見られることがあります。
マシュマロ・タッチ®では、がんや認知症の患者さんへの触れ方のヒントを、LINEで定期的にお届けしています。
LINEのお友だち登録をしていただくと、
スマホで気軽に読める「マシュマロ・タッチ通信」が届きます。
ご家族のケアに役立つ情報を知りたい方は、ぜひご登録ください♪
参考※1J Clin Nurs. 2025 May;34(5):1948-1964.
誰かの力になりたい! タッチケアでできるボランティア活動