母ががんとわかったとき、私は「何かしてあげたい」と思うばかりで、どう寄り添えばいいのかわからない日々が続きました。
その中で、ふと気づいたのが
“触れること”が、心をつなぐ寄り添い方になるということでした。
今日は、その経験から感じたことをお届けします。
目次
母のがんがわかったとき、私は何もできない無力感に押しつぶされそうでした。
痛みや不安を抱える母を前に、
「何かしてあげたい」と思っても、何をすればいいのかわからず、右往左往していました。
声をかけても、
「しんどい」「痛い」という言葉しか返ってこない日々。
私は次第に、自分も追い詰められているような気持ちになっていきました。
食事のこと、薬のこと、声かけ…いろいろやってはいたけれど、
「本当に母のためになっているんだろうか」と、心の中はずっと苦しかったのです。
そんなとき、ふと自然にやっていたのが、母の背中や手を撫でること・さすることでした。
抗がん剤の副作用でつらそうにしていた母の背中を、そっと撫でたとき、母がふーっと息を吐き、眉間のシワがやわらいだんです。
それからは、母が亡くなる前日まで、私は、撫でさすることを続けました。
言葉ではなかなか伝えられなかった「私はここにいるよ」という気持ちを、触れることを通じて母に届けていた気がします。
そして、ふれるケアは、生きている間にしか届けられないケアです。
私は母を見送ったとき、そのことを深く実感しました。
これまで講座や現場で、多くのご家族と出会ってきました。
皆さんがよく口にされるのは、
「あのとき、ふれてあげてよかった」
触れることは、
患者さんだけでなく、ご家族自身の心のケアにもつながります。
私自身も、母を見送ってから、
「最期まで触れていたこと」が、今も大きな支えになっています。
マシュマロ・タッチは、
押さない・揉まない・やさしくふれるケア。特別な力も、専門技術も必要ありません。
ただふれるだけではなく、
相手の心地よさ”や“安心感”を大切にした“触れ方”だからこそ、そっとふれた手が、大切な人の安心につながります。
マシュマロ・タッチは、ご家族向けに“ふれるケア”を学べる講座をご用意しています。
後悔しない看取りのための、優しい寄り添い方として、
ぜひお役立ていただけたらと思います。
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