10月は「ピンクリボン月間」。
乳がんについて、少しだけ考えてみませんか?
一人の女性の想いから始まった、小さなリボンの活動が、
やがて「ピンクリボン」という形で世界中へと広がっていきました。
今回は、そのピンクリボン運動の始まりと広がりをご紹介します。
目次
10月になると、街の建物がピンク色にライトアップされたり、「ピンクリボン月間」という言葉を見かけたりしませんか。
ピンクリボン運動は、乳がんの早期発見と治療の大切さを伝えるための世界的な啓発活動なんです。
この運動の原点には、一人の女性の行動がありました。
乳がんで苦しむ家族を支える中で、「もっと予防研究に資金が必要だ」と感じた彼女は、自宅で桃色のリボンを作り、啓発のために配り始めたのです。
彼女は、地元のスーパーマーケットで配ることから始めて、ピンクリボンを添えて手紙を著名人に手紙を出すなど、地道な活動を続けていました。
その活動が、とある雑誌の編集長の目に止まったのです。
当時、アメリカの女性誌『SELF』の編集長だったアレクサンドラ・ペニーさんは、
シャーロット・ヘイリーさんの活動に心を動かされ、
「この想いをもっと広く届けたい」と考えました。
そして、化粧品ブランドエスティローダー社の副社長であり、
自身も乳がんを経験したエヴリン・ローダーさんとともに、
1992年に乳がん啓発キャンペーンを企画します。
当初は、ニューヨークでの展開を想定していたこの企画でしたが、
最終的には全米のエスティローダーのカウンターでリボンを配布する、大規模なキャンペーンへと広がったのです。
ここで配布されたのが、現在広く知られている「ピンク色のリボン」です。
ただし、このリボンの色は、
ヘイリーさんが使っていた桃色ではありませんでした。
彼女は商業利用に強く反対していたため、SELF誌側は法的・倫理的な観点から、リボンの色を変更して配布したのです。
このピンクリボンの活動は、2000年代に入ってから日本でも本格的に広がりました。
毎年10月は「乳がん月間」とされ、この期間には日本全国で様々な啓発イベントが開催されます。
お城や建物がピンク色にライトアップされる光景は、10月の風物詩にもなっています。
ちなみに大阪城は10月5日(日)にライトアップされる予定です。
「ピンクリボンを見て、検診を受けようと思った」
「大切な人にも声をかけてみた」
そんな一歩が、未来の安心につながることもあります。
乳がんは、早期に見つかれば90%以上が治るとも言われています。
気づいた今が、動き出すタイミングです。
10月は、乳がんのことを考える大切な1か月。
「検診を受ける」「情報をシェアする」
そして「触れることで支える」という選択肢も、知っていただけたら、うれしいです。
ピンクリボン運動は、「検診に行く」だけでなく、グッズを購入することでも応援できます。
たとえば
・リボン型のピンバッジ
・Tシャツやトートバッグ
・メモ帳や付箋などの文房具
こうしたアイテムは、日常でも使いやすく、購入によって得た収益の一部が乳がんの啓発活動や支援団体への寄付につながるものもあります。
「応援したいけど、何から始めればいいかわからない…」
そんなときは、お気に入りのピンクリボングッズを選んでみてはいかがですか。
購入サイト 認定NPO法人 J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動
乳がんは、誰にとっても他人事ではありません。
実は私も、健康診断で
「乳がんの疑いがあります」と言われたことがあります。
精密検査の結果、幸いにも問題はありませんでしたが、
それから数年間は、毎年欠かさず受診していました。今は、2年に一回になっています。なので、
「検診に行くのが怖い」
そんな気持ちも、よくわかります。
でも、早く見つけられれば、それだけ早く安心につながります。
だからこそ、ひとりでも多くの方に、
乳がんのこと、検診のことを知ってもらいたいと思っています。
参考History of the Pink Ribbon
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