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金メダリスト!角田選手のこめかみのテープには、どんな効果があるの? 鍼灸師が考えた効果とは

2024/07/28

パリのオリンピックで金メダル1号の角田選手のこめかみテープ!気になる方も多いと思います。その効果について、ちょっと考察してみました。

 こめかみテープの販売メーカーさんのHPでは太陽のツボの場所みたいです。目の疲れや肩こりからくる頭痛緩和に効果的と書いてありました。

うーん、太陽ねえ…

確かに目の疲れや頭痛に使うけど、肩こり頭痛は瘀血が原因が多いから 太陽より他のツボを使うかな

ツボは複数のツボを組み合わせて使うのが普通で、1個だけ使うことはあまりないんです。HP見て、太陽だけより、他のツボも一緒に使えばいいのにと思ってしまいました。

 ちなみに太陽は本によっては、禁灸、お灸はしちゃダメなツボに入っていることもあります。まあ、目や髪の毛に近いのでお灸すると危ないですよね

解剖学的なこめかみテープの位置

 東洋医学ではわからなかったので、他の視点で考えてみました。

角田選手が貼っているテープの位置を見ると、側頭筋の筋腱移行部あたりのようです。

 側頭筋は噛むのに使う筋肉です。咬筋と一緒になって下顎を動かすのに働いています。歯を食いしばったり、ご飯を食べるときに使っている筋肉です。

なので、側頭筋へ影響を与えたいのかなと考えました。

アスリートと噛む力の関係

 スポーツ選手のパフォーマンスには、歯の噛み合わせや咀嚼力が関係※1しています。また、高齢者の研究ですが、咬む力や歯の数など口腔機能の低下が下肢の筋力やバランス力と関連がある報告※2もあります。

 柔道選手は技をかけるとき歯を食いしばると言われています。歯の食いしばりでヒラメ筋のH反射が促進して収縮する※3ことから、柔道選手は技をかける時に歯を食いしばることで、ふくらはぎの力を出しているのではないでしょうか。

テープは歯を食いしばりやすくするため?

 歯を食いしばるとき、側頭筋は必ず使っています。食いしばるときに、顔の顎近くの咬筋は意識しやすいんですが、頭の横の側頭筋は意識されにくいんです。

 人間は意識すると、そこに集中する性質があります。セーターにタグがついてるのが気になると、ずっと気になるのがそれです。触覚は順応しにくい感覚なので、いつまでも気になるんですね。

 

考察の結果、どんな効果なのか

 結論として、角田選手は側頭筋の上の皮膚にテープを貼ることで、触刺激を使って側頭筋を意識しやすくし、力を出しやすくしているのかなと思いました。これは推測に推測を重ねただけなので、本当にそうかはわかりません。アスリートのパフォーマンスには、心理的な面も大きく影響しますしね。

 こんなことに関係なく、角田選手が金メダルを取れたは彼女の努力の賜物だと思います。最後になりましたが、角田選手、金メダルおめでとうございます!

 

 

 

※1 Br J Sports Med . 2015 Jan;49(1):14-9. 

※2 「健康長寿社会に寄与する 歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」公益社団法人日本歯科医師会

※3 J Prosthodont Res. 2017 Apr;61(2):202-209.