こんにちは、マシュマロ・タッチの前川です。
がんを身近に感じたとき、ふとこんなふうに思ったことはありませんか?
「何かしてあげたいけど、何をすればいいかわからない」
「言葉が見つからない。黙って隣にいることしかできない」
「見ているだけでつらくて、自分のほうが不安になる」
私自身も、がんの家族を支える中で、同じような思いをたくさん経験しました。
けれどあるとき、手で触れるという、ごく小さな行為が、気持ちを伝えるうえでとても大きな力になることに気づいたのです。
今回は、そんな「触れるケア=タッチングケア」が、なぜがん患者さんやそのご家族にとって大切なのかをお話ししたいと思います。
目次
がんと診断されると、多くの患者さんが「不安」「孤独」「緊張」「無力感」など、心にも大きなストレスを抱えます。
治療が進む中では、身体的なつらさに加えて、気持ちの波や、これからの生活への不安を抱えることも少なくありません。
一方で、ご家族や友人にとっても、
「どう声をかけたらいいかわからない」
「そっとしておいた方がいいのかも」
と、距離感に悩むことがあります。
そんなとき、「触れること」は、言葉よりも深い安心感やつながりを届けてくれる手段になります。
マシュマロ・タッチは、不安や緊張をやわらげたいときに適したタッチングケアです。
実際に行った検証実験では、マシュマロ・タッチを受けたあとに
🔷 手の温度が上昇した
🔷 脈拍が低下した
🔷 不安や緊張が減少した
🔷疲労感、ストレス度が減少した
🔷 リラックス感が高まった
という変化が見られました。
これは、触れることで身体に安心感が伝わり、自律神経の働きが落ち着いたことを示す反応と考えられています。
その検証結果は、看護技術の学会誌にも報告されています※。
実際にマシュマロ・タッチを体験された方からは、 「気持ちが落ち着いた」「不安がやわらいだ」「眠くなる」といった感想が寄せられています。実際に、寝てしまう方もおられます。
📊 結果の詳細はこちらからご覧いただけます(※別タブで開きます)👉 体験者アンケート結果を見る
タッチングケアは近年、緩和ケアや認知症患者さんへの心理的サポートとして、医療・看護・介護の現場でも関心が高まっています。
「何もしないより、手を添えるだけで表情が変わった」「触れた瞬間、患者さんの呼吸が落ち着いた」
そう実感される医療者の声も、少しずつ増えてきました。
とくにコロナ禍以降、触れることが制限された時期を経て、触れられないことの不安や孤独感が、患者さんに大きな影響を与えていたことが見えてきました。
今、改めて「触れることの意味」や「手を添えるだけで生まれる安心感」に注目が集まっています。
マシュマロ・タッチのような、やさしくて安全に配慮したタッチングケアは、安心感やつながりを生むケアとして、これからの医療にも必要とされています。
マシュマロ・タッチは、がん患者さんのために開発されたタッチングケアです。
・押さない
・揉まない
・強くない
それでも「気持ちいい」「安心する」と感じていただける、解剖学・神経生理学などの身体の仕組みに基づいた、やさしく安全なケアです。
そしてこのケアは、そばにいるご家族や友人、ご本人と向き合う医療者にもやさしい手段です。
「何かしてあげたい」という想いが、ちゃんと届く。それが、触れるケアの力だと私たちは考えています。
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※マシュマロ・タッチ(メディカル・タッチ)に関する検証は、以下の研究で報告されています。
・見谷貴代ら, 日本看護技術学会誌. 125-130 (2018)
・岡本佐智子ら, 日本看護技術学会誌. 9-16 (2025)
【活動リポート】リレーフォーライフ熊本に出展|マシュマロ・タッチ認定者がハンドタッチを提供(がん患者さんのためのケア)
【メディア掲載】NHK「あさイチ」で紹介!|がん患者さんと家族に届けたいやさしいタッチングケア