がんの母と一緒に見ていた「あさイチ」。
母が旅立ってから20年——
今日、母のために作った“タッチングケア”が「あさイチ」で紹介されます。
がんだった母に、私ができたこと。
それは、ただそばにいて、背中をなでること。
何も言わずに手でふれて、「大丈夫だよ」と伝えることでした。
目次
母ががんになったとき、私は何もできずに、ただそばにいることしかできませんでした。
でも、そんなとき自然にやっていたのが、「さすること」「手にふれること」でした。
抗がん剤の副作用でつらそうな母の背中を、そっとなでると、
ふーっと息を吐いて、表情がやわらいだんです。
タッチングケアは、生きている時間の中でしか届けられません。
言葉が交わせなくなっても、ふれて、撫でさすることで
「まだ生きてる」「まだ大丈夫」
「自分にも、まだしてあげられることがある」
そんなふうに、感じることができるんです。
実際に、終末期のご家族にタッチングをされた方からは、
「あのとき、やってあげてよかった」
という声をよくいただきます。
ふれることは、「自分にできることがあった」と思わせてくれる。
それは、患者さんだけでなく、ご家族の心も支えるケアなんです。
講座や現場でがん患者さんにタッチングを行うと、
「こんなに軽いのに、気持ちいい」
「手がぽかぽかしてきました」
「なんだか、眠くなりますね……」
そんな声をいただきます。
先日も、抗がん剤の副作用で手がしびれていた患者さんにケアをしたところ、
「……気持ちいい」と、ぽそりとつぶやかれました。
その言葉を聞いたとき、私は母をなでていたあの日のことを思い出しました。
今回「あさイチ」で、友人の最期に寄り添い、タッチングケアを行っていた看護師さんが紹介されました。
実は、その看護師さんは、私の生徒さんのひとりです。
「メディカル・タッチ」という看護師さん向けのタッチングケア講座を受けてくださり、現場で大切な方に、そっとふれて寄り添うケアを実践してくださいました。
テレビでその姿を見たとき、胸が熱くなりました。
母のために始めたタッチングケアが、今こうして人から人へ届いていることに、深い感謝の気持ちでいっぱいです。
マシュマロ・タッチは、押さない、揉まない、やさしくふれるタッチングケア。
ご家族や友人、支えたい誰かのために、
「何かしてあげたい」という気持ちを形にできるケアです。
このケアが、あなたの大切な人の支えになることを願って
今日も、私はこの技術を伝えています。
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