マシュマロ・タッチ®の論文が発表されました!
皆さん、こんにちは。
アイグレーの見谷 貴代です。
私が長年、取り組んできたマシュマロ・タッチに関する論文が
『日本看護技術学会誌』に掲載されました!
論文の本文はこちらからご覧いただけます。
研究のタイトルは「短時間のハンドマッサージによる生理的・心理的効果の検証」で
「両腕に5分間のマシュマロ・タッチのハンドマッサージ」で、リラックス効果、そして
緊張や不安、怒り、疲労感などを軽減することを検証することができました。
研究を計画してから3年、論文を投稿してから1年、特に論文を投稿してからのこの1年は本当に過酷でした。
査読の返答期限があるので、徹夜しないと間に合わなくて「もう、諦めようか?」と
徹夜明けの昇りくる朝日を見つめながら考えたこともありました。
それでも、15年間思い続けてきたことを形にするまでは諦められない!と何度も自分を奮い立たせて頑張りました。
今は嬉しい気持ちが半分と、ホッとした気持ちが半分ずつのような感じです。
私が緩和ケア病棟でアロマ・マッサージを始めたのが、今からちょうど15年前になります。
当時は、まだアロマセラピー自体が日本に入って間もない頃でしたが
私が勤めたアロマセラピストの養成スクールで緩和ケア病棟でアロマ・マッサージの
ボランティア活動をすることになり、初めてご病気の方を対象に施術をすることになりました。
患者さまは、「気持ちがいい」と私たちのボランティアをとても喜んでくださり
次に来るのを心待ちにしてくださいました。
こんなにいいことならば、もっと多くの患者さまに受けていただきたい!と
私はドクターたちにも患者さまからの声を必死で伝えましたが、病棟の先生は
「たとえ、一人の患者さんによくても、全ての患者さんにいいとは限らないよね。
もしも本当にいいものであれば、どういいのか、どんな効果があるのか説明してもらわないと
患者さんには安心して紹介できないね。そして、その良さを数字で表してみて。」と言われました。
良さを数字で表す、そう、それが研究をするということだったのです。
例えいいものであっても主観的な評価だけでは説得力が弱くなります。
客観的にその良さを証明することが、医療の現場で認めてもらうにはどうしても必要なことでした。
そこで、私は再びドクターや看護師さんたちに共同で研究をしたいとアピールしたのですが
研究メンバーになるにも、医療の知識もなければ資格もないので、結局は何をしていいのか全くわかりませんでした。
その他に、実際に緩和ケア病棟に行って気が付いたことは、患者さまには
「健康な方が受けるマッサージとは違うものが必要なのではないかしら?」ということでした。
刺激がやさしいと言われているアロマ・マッサージでも場合によっては刺激が強くて
ご病気の方には負担になることがありました。
そんな時に私が勤めていたアロマスクールに入学してきた前川先生と意気投合し
ご病気の方にも安全に受けていただける技術としてマシュマロ・タッチ®の開発を始めたのです。
マシュマロ・タッチ®の技術もできつつありましたが、本当にこの技術が患者さまには
ふさわしいものなのかは確信がありませんでした。また、ご病気の方に施術をする目的は何なのか?
なぜ、患者さまは喜んでくれるのか?を理解しないといいケアが提供できないと思ったのです。
もう、これは私が医療の勉強をして研究をするしかないと思い立ち、緩和ケア病棟でずっと見てきた
患者さまの一番近いところでケアをしている看護師の資格をとろう、そして看護研究をしようと
大学に入ることを決意したのが今から7年前のことでした。
有難いことに、社会人入試で神戸大学に入学させていただき、私は看護の勉強を始めました。
40歳を過ぎてからの専門領域の勉強は心身ともに厳しく、病院実習ではストレスで体を壊しそうになりました。
それでも、看護を学ぶことで患者さまが何を必要としているのか、医療の現場で大切なことは何なのか
患者そして看護師のニーズも知り、マシュマロ・タッチ®を何を目的に提供したらよいのかを
とてもよく理解することができました。
そして、卒業研究でマシュマロ・タッチ®のハンドマッサージについて論文を書き
指導していただいた先生から学会への論文投稿を勧めて頂き、挑戦することになったのです。
医療の現場で大切にされていること、それは効果もさることながら安全性です。
この研究では、5分間、10分間のハンドマッサージが循環動態に大きな影響を与えることなく
安全に提供できることも検証することができました。
ようやくマシュマロ・タッチ®の効果について、1つ客観的な評価をすることができましたが
まだまだこれからだと思っています。
これからも、もっと多くの対象者の方やご病気の方や高齢者の方など様々な対象者の方にも安全で
有効な技術であるか、検証を続け安全で安楽な技術が提供できるように努めていきたいと思っています。
拙い論文ですが、多くの方に読んでいただけたら幸いです。