マシュマロ・タッチが認知症ケアに選ばれる理由
2023/09/07
更新日:2023/09/03
マシュマロ・タッチは、デイサービスなどの介護施設で、認知症の方に受けて頂いています。
私が施設にお伺いすると、もう何年もマシュマロ・タッチを受けてくださっているのに、いつも「初めまして」と挨拶をされます。私が「久しぶりですね!お元気でしたか?」とおたずねしても「会ったことあったかな?」と言われます。
マシュマロ・タッチが始まると、しばらくして「あれ?これ、どこかで受けたことあるわ」と決まって言われます。
私のことは、忘れていますが、マシュマロ・タッチを受けたことは覚えていらっしゃるんです。
施設の方にはいつも不思議に思われてるのですが、これにはちゃんとした理由があります。
人間の脳は、理性を司る大脳、本能を司る大脳辺縁系、運動をコントロールする小脳、そして呼吸や心拍、 血圧などを調節する脳幹に分かれています。
脳幹は生命維持に重要な機能が集まる最も重要な場所です。この脳幹に、マシュマロ・タッチの気持ちよさは 届いているんです。
認知症では、ほとんどの方が大脳が委縮しています。マシュマロ・タッチは、委縮した大脳ではなく、その もっと下、奥にある脳幹に気持ちよさを届けています。
認知が進んで、人の顔も覚えていられない方でも、マシュマロ・タッチを受けたことを、なんとなく覚えて おられるのは、大脳ではなく脳幹で心地よさを感じているからなんですね。
私のことを忘れられるのは残念ですが、脳の深いところでタッチの時間は覚えてくれているんだな、と思うと 嬉しくなります。
これからも、「初めまして」のご挨拶が続くと思いますが、「思い出したわー!」と言われることをワクワク しながら、施設にお伺いしたいと思います。
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