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使い捨てポリ袋防護服の使い方、捨て方で感染リスクがぜんぜん違う!

2020/04/19 更新日:2021/12/31

使い捨てポリ袋防護服の使い方を読む前に

4月18日にフリーアナウンサーの赤江珠緒さん(45)が新型コロナウイルスに感染したと発表されました。赤江さんは15日に発症してから、自宅療養されています。赤江さんの夫も感染し、2歳の娘さんも検査を待っている状態だそうです。厚生労働省は軽症の感染者は自宅療養を推奨していますが、国内での感染者数は1万人を超え、東京都内でも家族間の感染が増加しています。他の家族にウイルスを移さないためにも、感染予防対策を十分に行いましょう。

防護服は着るだけでは効果がない!

 
使い捨てポリ袋防護服を使う前に「もしも、家族が新型コロナウイルスに感染したら、4日間の自宅療養での過ごし方の8つのポイント」をご覧ください。防護服は着るだけでは効果はありません。脱ぎ着にも気を配らないたダメなんです。「せっかく着たのに意味がなかった…😥」にならないにも、厚生労働省が推奨する8つのポイントの中で活用してください。
 
また、防護服は脱ぎ方を間違えると、感染予防の意味がなくなります。患者さんに触れた部分は、ウイルスに汚染されています。見えなくてもべったりウイルスや細菌が付いています。脱ぐ時にウイルスが付いた部分を手で触れたら、その手からさらに感染が広がります。赤江アナウンサーのように、小さなお子さんのいるご家庭でご両親がともに感染してしまうかもしれません。家庭内に感染を広げないためには、脱ぎ方がとっても重要なんです!!
 
 
 

基本は対面しない

 
感染を疑われる患者さんとは対面しないようにしてください。ドアの前にお食事や着替えなどを置いて、対面せずに受け取ってもらうのが基本です。患者さんはご自分が使ったシーツや服、鼻水などがついたティッシュなどのゴミは、ビニール袋に入れて口を縛ってご家族に渡しましょう。患者さんが動けない場合など、どうしてもお世話をしなければならない場合に、こちらの防護服を使っていただければと思います。防護服の作り方はこちらに載せています。
 
 
 

使い捨て防護服を着る前の準備

 
使い捨て防護服を着る前に、捨てる準備をしておきましょう。専用のゴミ箱にゴミ袋をセットするなど捨てる準備も大事です。ゴミ箱は患者さんのお部屋のドアの前に置いて出る直前に防護服を捨てるのに使います。もしくは、大きめのゴミ袋を一枚、切ってシートのように広げおきます。広げたシートの上で脱ぎ捨てれば、風呂敷のようにシートで防護服を包んで捨てることができます。その他にどんな準備をしておくと良いのでしょうか。
 
 
 

防護服の他に身につけるものを用意する

 
防護服の他にマスクとシャワーキャップやバンダナ、スカーフなど頭を覆うものを身につけます。首回りにも、バンダナなどを巻いて肌を露出しないようにするのも良いと思います。あとで洗うので綿製品が適しています。
 

ゴミ箱にゴミ袋をセットする

 
防護服は使い捨てです。患者さんのお世話をすれば、見えなくても表面にウイルスや細菌がついています。お世話をした後に防護服を着たまま他のお部屋に入れば、他の部屋も汚染されてしまいます。なので、ゴミ箱は患者さんのお部屋のドアの側か、すぐ近くに置いて、脱いだらすぐに捨てられるようにします。

布マスクの場合は、洗う準備をしておく

 
布マスクやバンダナを使う場合は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムの家庭用塩素系漂白剤(濃度が0.02%)を用意します。もし、次亜塩素酸ナトリウムがない場合は、80℃の熱湯に10分間、漬ける方法もあります。
 

掃除用の消毒液を用意しておく

 
患者さんのお世話をした後に、ドアノブなどを拭く消毒液を準備します。主成分が次亜塩素酸ナトリウムの家庭用塩素系漂白剤を、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)を用意しておきます。次亜塩素酸ナトリウム溶液は、作り置きすると効果が落ちるので、必ず直前に用意してください。

使い捨てポリ袋防護服の着方

 
使い捨てポリ防護服の脱ぎ着のやり方は看護師の見谷さんにガウンテクニック(看護技術の一つで医療ガウンの着脱法)を教えてもらいました
 
最初に手を洗って、消毒をします。手を洗ったら、使い捨て防護服は普通に被って着てください。もし、着るときに後ろのセロテープが外れたら、付け直せば大丈夫です。セロテープはがっつり止めなくてもかまいません。しっかり止めない方が後で楽に脱げます。

使い捨て防護服の脱ぎ方

 
使い捨て防護服は、普通の服とは脱ぎ方が違います。使い捨てなので破って捨てます。このとき、汚染された部分に触れないようにします。
 
 

①胸の前をつかんで引っ張ります。

胸の前を持って、一気に前に引っ張ります。後ろが千切れてもかまいません。千切れるように作ってあります。襟はもたないでください。襟を持つと中側を汚染された手が触れてしまします。必ず胸のところをつかんでください。

ある程度、脱げて体に触れない位置にきたら、襟を持っても大丈夫です。

②腕を前に突き出して、裏返るように脱ぎます。

防護服が体から離れるように、腕を前に突き出して脱ぎます。手は引き抜くのではなく、袖が裏返るように脱いでください。特に手が入っていたビニール袋は完全にひっくり返します。手の部分が一番、汚染されているからです。

③表側を中に巻き込んで丸める。

できるだけ、汚染された表側に体が触れないように、表側を中に巻き込むように丸めます。そのまま、ゴミ箱に捨ててください。

④シャワーキャップとマスクを取る

シャワーキャップの内側に指を一本入れて、汚染された表側が体に触れないように頭から外して捨てます。マスクも紐の部分を持って捨てます。バンダナや布マスクの場合は、ビニール袋に入れて持ち出し、主成分が次亜塩素酸ナトリウムである家庭用塩素系漂白剤を、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)に10分間、浸けてから洗います。

⑤ゴミ袋の口を縛っておく

汚染物を捨てたゴミ袋は、必ず口を縛ります。新型コロナウィルスは生存期間が長いウイルスです。蓋付きのゴミ箱も良いですが、ゴミ箱が一杯になって捨てるときを考えて、ゴミ箱にはゴミ袋をセットしておくと便利です。


 

 
 

⑥手洗いをする。

30秒の手洗いを十分に行います。触れないようにしていても、手が汚染されている可能性は十分にあります。さらに顔を洗うのもお勧めです。マスクをしていても、額などマスクで覆われていない部分にウイルスがついている可能性があります。

⑦触れた場所を消毒をする

自分が触れた場所、ドアノブや床などを消毒します。0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。

⑧最後にもう一度、手洗い!

全部が終わったら、もう一度、手洗いしてください。これで終了です。

4日間の自宅療養期間の感染リスクを減らすために、ご活用いただければと思います。なお、この防護服だけで感染リスクを減らすことはできません。厚生労働省は自宅療養の8つのポイントを推奨しています。8つのポイントを踏まえて、ご利用ください。
 
自宅療養の8つのポイントはこちら

防護服の作り方はこちら