お知らせ

新型肺炎には手洗いで対抗しよう! 正しい手洗いで感染症を予防する

2020/01/26

2020年1月中旬から、中国武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎患者がどんどん増えています。インフルエンザも本格的な流行しています。必要以上に怖がる必要はないですが、ちょっとした対応策で自分と家族を守ることができるんです。

先日も、医療関係の機器を開発されている会社の社長さんとお話したときに、正しいアルコール消毒の方法をご存知なかったのでビックリしました。お教えしたところ「すぐに社員に実行させます!」と仰っておられました。駅のトイレとかでも、ささっと洗うだけの人や濡れた手でアルコールをつけている人など、意外と正しい方法をご存知ないんだなと思いました。  

弊社はイベントで、多いときには100人以上の方に弊社が独自に開発したハンドタッチ『マシュマロ・タッチ®︎』を提供しています。イベントでは、がん患者さんに提供する機会も多く、人に触れることによって自分が感染するリスクも高まる一方で、人を感染させるリスクもあるんです。マシュマロ・タッチ ®︎では、日頃から感染症の予防のために様々な対策をしています。今回は、皆さんが生活の中で特に取り入れやすいマシュマロ・タッチ®︎の感染症予防の方法をお伝えします。

一番、簡単で確実な感染症予防方法は手洗い です。

「手洗い」は病院でも実施されている「標準予防策」   そんな簡単なことで?と思われるかもしれませんが、するとしないでは大違いなんです。手洗いは病院で実施されている標準予防策という感染症を予防する方法なんです。マシュマロ・タッチ®︎でもこの標準予防策を取り入れています。特に手洗いは絶対に欠かせません。なぜかと言うと、手はさまざまな場所に触れるので、とってもウイルスや細菌がつきやすいからです。手についた細菌やウイルスをそのままにしておくと、汚れた手から細菌やウイルスが、どんどん広がっていきます。例えば、ウイルスや細菌がたっぶり付いた手でポテチを摘んで食べたら? 手からポテチに移ったウイルスや細菌が口の中に入って、喉や胃腸の粘膜で繁殖していきます。手洗いするだけで、感染症のリスクが確実に減るんです。   

手洗いが特にオススメの方

健康な人なら免疫系が働いて体の中に侵入したウイルスや細菌を排除するように働きます。でも、体の弱っている人はウイルスや細菌を体の中から排除できなくて、感染症を発症してしまいます。特に高齢者や慢性的な呼吸器の疾患、心疾患、腎疾患、糖尿病などの方はハイリスクと言われています。また、ストレスも免疫力に影響があるとされていて、感染症への抵抗力が低下すると言われています。体の中に侵入されたら、免疫だのみです。手洗いは、体の中にウイルスや細菌を入れない、とっても簡単な方法です。持病を持つ方や病気のご家族がいる方、ストレスがたまってる方にも、手洗いはオススメです。       正しい手洗い方法とは?   でも、ちょっと気をつけてください。「手洗い」は正しい方法で行わないと予防にならないんです。ささっと洗っただけだと、爪の裏や手のシワ、指紋の間にいた菌の塊が水分で膨れて浮き出て、手のひらに菌が拡がってしまうんです。下記の図は厚生労働省がインフルエンザ啓発ツールとして配布している資料です。  

出展:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/poster25b.pdf

見ていただくとわかるように、手の指の間や手首まで洗っています。なぜ、指の股や親指を洗うのかは、そうした場所に細菌が残りやすいと言われているからです。どれだけ残っているのかというと、下記のポスターがわかりやすいかな。このポスターは、国立感染症研究所が被災地や避難所で活用してもらうために配布しています。水のない状態で、アルコール系の消毒薬で手指を消毒する方法です。私はこれを見て、目から鱗が落ちました。アルコール消毒は指先からがポイントだったんですね!

 出展:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000123506.pdf

このポスターは、被災地など水がないときに使う方法です。ノロウイルスやロタウイルス、セレウス菌などアルコールが効かない菌もあります。普段は、石鹸と流水で手洗いしてから、アルコール系の消毒薬を使いましょう。しっかり洗ってからアルコール消毒をした方が効果的です。流水は物理的にウイルスや細菌を洗い流してくれます。また、アルコールは乾いた肌に使った方が効果が出るんです。アルコールの殺菌力は、手についたときの濃度が大きく影響すると言われています。手に水がついていると、せっかくつけたアルコール消毒剤の濃度が薄まってしまいます。濡れた手よりも乾いた手の方が効果が高いので、手は乾かしてから使いましょう。アルコールは水で薄めると効果がなくなります。もったいないからと、市販のアルコール消毒剤を水で薄めたりしないでくださいね。

このポスターでは、アルコールを出すときに、手でポンプを押していますが、弊社の監修医師にお聞きしたところ「手で押すよりも、肘でポンプを押した方が感染リスクがさらに減るよ」と教えていただきました。

洗い方がわからないときは…

洗い方がよくわからない方には動画の視聴がオススメです。 YouTubeで”手洗い”で検索すると手洗いの動画が出てきます。いろいろありますが、私は東京都が提供している「ガチャピン・ムックの正しい手洗い方法(東京動画)」がわかりやすいと思います。汚れが付きやすいところを最初にポイントで見せているのが分かりやすくていいですね。ガチャピンなしのショートバージョンもあります。

しめったタオルは細菌の温床

ところで、家のタオルはいつ取り替えていますか? 湿ったタオルは細菌の温床になります。手洗い後の除菌効果の研究では、タオルを連続で使った場合、7人目からタオルを使った手の細菌が増える傾向にあるそうです。また、きちんと清掃されていないハンドドライヤーでは、底に溜まった水や横についている水滴に細菌がいる場合があるので、そうしたものに触れないようにしましょう。鞄に入れっぱなしのハンカチも同様です。ハンカチは毎日、取り替えてください。じゃあ、何で拭けばいいんだ?と思いますよね。オススメはペーパータオルです。ペーパータオルを2〜3枚使って水分をしっかり拭き取るといいですよ。

どんなときに手洗いするといいの?

トイレに行った後には手洗いしますよね。してない人は、今日からしましょう!だって、トイレって、みんなが使うものじゃないですか。会社や駅のトイレはもちろん、家のトイレも自分専用じゃないですよね。家族の誰もが使うので、そのうちの誰か一人でも何かに感染していたら、同じトイレを使った人の感染リスクは確実に高くなります。なので、トイレのあとの手洗いは必須ですよ〜。   トイレ以外にはどんなときに手洗いをしたらいいのでしょうか。 おすすめは、ご飯を食べる前家に帰ったときです。ご飯やおやつを食べる前に、ちょっと手洗いするだけで、口に入る細菌を減らすことができます。特にパンなど手に持って食べる物のときは、手についたウイルスや細菌がパンについてしまうので手洗いは絶対にオススメです。また、外出から帰ったときも同じです。外から持ち帰ったウイルスや細菌を部屋の中に撒き散らしたくないですよね。感染症の論文を読むと、ATMや券売機、スマホのタッチパネルにも細菌がついていると言われています。普通に生活していたら、普通に触れるものにウイルスや細菌はいるんです。だから、正しい手洗いで感染症を予防しましょう!

手洗い+α

手洗い関係の論文を読んでいると、石鹸で手洗いして、流水でしっかり流して、よく乾かした後にアルコール消毒が基本です。でも、これを毎日、何回も行ってると今度は手荒れがおきてしまいますよね。そういうときは、手洗いのあとにハンドクリームをセットで使うといいですよ。    

<<参考>>

文:前川 知子